A.I. Artificial Inteligence
スピルバーグだったか、人間の子供型のロボットの話だったと思う。このロボットが彷徨い、果てに着く未来の都市は、30m~50m昔からのマンハッタン的なビルの10階あたりといった高さまで、海中に没していた。
この映画は近未来、おそらく100年ほど後の、テクノロジーの進化がテーマと思う。ロボットを中心に、人の心と、ロボットの心と、といった人間性のストーリーだろうが、しかし、背景となっている水没都市は、明らかに温暖化の影響で水位が上昇してしまった情景がベースになっており、そしてそこに暮らしている人々も貧富の差が激しく、知的でもない今と変わらない欲望のもとに暮らしており、相変わらず憎みあっている。
人間性の進化は、100年、200年では変わらない、ということか。
映画の最後は、数千年経って、やがて氷河期が訪れ、そこへ高度な文明を持った異星人が地球を訪れ、海中深くに埋まった子供型ロボットを救い出すシーンになる。このときすでに人類は滅亡しているという設定らしい。
ハリウッド映画人は、温暖化による海面上昇をじゅうぶん認識して、背景に使った。しかしそれは安易な石油産業批判などとは、次元の違った文明史観を導入することで、人々のテクノロジーの別の側面へ関心が向くように、誘導したようにも見える。温暖化の事実を否定はしないが、そこに関心が集中するのを避けたようにも、わたしには受け取れた。